国債投資
ここでは投資の種類の1つである「国債投資」について基礎知識を解説します。
国債の仕組みや利回り、また、個人向けのものなど複数の種類があるので、投資先として考えているのであればじっくり比較してみてください。
そもそも国債とは
国債の発行者は誰か
国債の発行者は「国」です。
国債とは国が発行している債券あり、日本の場合は「日本国債」とも呼ばれます。
そもそも「債券」とは資金を集める(借りる)ために発行される有価証券のことで、借用証書の機能も合わせ持っています。
国の債券は国債ですが、これが地方公共団体の発行する債券であれば「地方債」と、企業の発行であれば「社債」と呼ばれます。
海外の国債も買える?
日本にいても海外の国債を買うことはできます。
現在は日本国債などに比べ米国国債のほうが利回りが高いため国内の投資家からも注目されています。
国債が発行される仕組み
財政支出が予算を超過する場合、国はその不足分を国債からの収入で補填しています。具体的には、国は国債を発行して投資家から資金を調達し、その間に一定の利子を支払います。
国債には異なる期間のものがあり、たとえば個人向け国債では3年債・5年債・10年債などが用意されています。満期日が到来すると、国は借入金と利子を投資家に返済します。
国債の利回り
国債も他の金融商品同様に利回りがあります。利回りは発行時期によって決定されますが、株式市場と同様に、売買による価格変動も起こります。国債の価格は、日本経済や銀行の動向などに影響を受け、日々変動します。
そのため、経済情勢に大きな影響が加わると、国債の価格も変動しやすくなります。ただし、償還時には必ず額面金額が返還されます。このため、同じ国債であっても購入価格によって損益、すなわち利回りが異なることになります。利回りには利子だけでなく、売買差益も含まれるため、これらを総合的に考慮する必要があります。
国債投資で資産を増やす方法
利息をもらう
まずは単純に利息をもらうことで利益、つまりは資産となります。この点に関しては銀行の普通預金と同じで、金利は利息として手にすることができます。国債そのものを手放すのではなく、あくまでも「保有していることで生まれる利息」を手にするので、半永久的にリスクなく受け取ることができます。
売却益
保有している国債を売却すると売却益を手にすることができます。売却する価格は売却するタイミング次第です。この点は株式投資やFXなど、他の投資と同じ原理です。
額面との差益
こちらは株式投資と似た理屈です。購入した時よりも高い額面で国債を売却することができれば利益となります。ただし、低い額面で売却した場合には損失となります。
国債のメリット
安全性
国債とは「日本」が発行しています。そのため、他の金融商品と比較すると安全性が高いです。例えば株式の場合、株を発行している会社が倒産した場合は文字通り「紙きれ」となってしまいますが、日本という国が「倒産」する可能性は、限りなく低いです。
少額からの投資が可能
個人向けの国債の場合、10,000円から購入可能です。他の投資商品と比較すると安価で購入できるため、初心者でも購入しやすいです。
いつでも購入できる
国債は毎月売り出されています。決して期間限定ではありません。そのため、購入したい時に購入できます。
譲渡・相続
個人向けの国債は有価証券として個人間での譲渡・相続可能です。そのため、購入した国債が無駄になってしまうことはありません。
国債のデメリット
換金まで時間がかかる
個人向け国債を途中解約する場合、1年以降となります。つまり、換金して現金を手にするためには1年以上待つことになります。急に資金が必要になった場合、国債の現金化ではニーズに応えることができません。
解約するとメリットが低下する
国債は途中解約可能ではありますが途中で解約してしまうと「中途換金調整額」として「直前2回分の利子×0.79685」の金額が差し引かれます。避けることはできないため、利益(メリット)が減少します。
収益性が低い
国債はリスクが低い一方で、株式投資やFXと比較すると収益性が低いです。金利が低い点に加え、相場が急変動するものではないからです。例えば国債の金利が1%の場合、10,000円分購入しても1年間で得られる利益は100円です。
国債にも種類がある
国債にもいくつかの種類があるので紹介します。
固定利付国債(こていりつきこくさい)
発行される際に金利が事前に取り決められており、それが満期まで変わらない国債を総称して「固定利付国債」と呼びます。2年・5年・10年・20年・30年・40年が満期の国債と、3年・5年が満期とされる個人向け国債があります。利息の支払いは6か月に1回です。
変動利付国債(へんどうりつきこくさい)
変動利付国債の利息も6か月に1回支払われますが、その利息は変動するのが大きな違いです。満期は10年・15年に設定されている変動型の個人向け国債や、このあとに詳しく説明する「物価連動国債」なども変動利付国債に含まれます。
個人向け国債(こじんむけこくさい)
1万円から購入可能な個人向けの国債であり、法人は買うことができません。種類は3年・5年の固定金利型や10年満期の変動金利型などがあります。適用される利率も期間によってそれぞれ違いが見られます。
新窓販国債(しんまどはんこくさい)
新窓販国債は平成19年10月からスタートした新たな窓口販売方式で発行される国債です。以前は郵便局のみで取り扱われていた委託販売方式の国債が、銀行を始めとした民間金融機関にも裾野を広げたものです。
2年・5年・10年満期となっており、個人・法人を問わず最低5万円から国債が購入可能です。
復興応援国債(ふっこうおうえんこくさい)
東日本大震災の復興を支援するために発行されました。10年変動金利型の個人向け国債で、金利は0.05%で固定されています。発行から3年が経ち、一定額以上の保有者には記念貨幣が授与されましたが、現在は募集されていません。
物価連動国債(ぶっかれんどうこくさい)
物価の動向に応じて元本が変動する国債を指します。利率は満期日まで変わらないですが、元本は物価変動に影響されるため、それに応じて利息も上下します。
自分に合った投資先選びでリスクを抑えられる
国債にはさまざまな種類があり、個人が購入できるものや法人が買えるものなど多様です。
個人向け国債などは比較的に手頃な価格で投資を行え、元本割れのリスクも低いという長所がありますが、一方で低い金利であることが短所です。
しかし、これから投資を初めてみたい人が最初に購入するのであればおすすめの投資先です。
市場の複雑化や予測困難な経済の変動、政治的なリスクなど、益々複雑になる市場動向。物価高や給料がなかなか上がらない中で、資産を増やすためには、投資スクールで専門家からしっかり指導を受けることが大切です。そこで投資の目的に合わせて、オンラインで受講できると投資スクールをご紹介します。
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